手紙営業は顧客の新規開拓におすすめの営業手法です。手紙を決裁者に送付して相手の興味関心をひき、効率的にアポイントを獲得できます。この記事では、手紙営業の概要と新規開拓に効果的な理由を解説します。具体的な文例もターゲット別に紹介。効果を高めるコツや失敗しないポイントにも言及しますので、ぜひ参考にしてください。
手紙営業とは決裁者に手紙を送る営業手法のこと
手紙営業とは、ターゲット企業の決裁者に手紙を送付し、アポ獲得を図る営業手法です。ターゲット企業の決裁者とは、中小企業であれば社長や専務などの経営層、大手企業であれば各事業部門の部長クラスの役職者が該当します。ほかにも、小売業の商品開発部長やIT業のシステム部長も決裁者の範囲に収まるでしょう。そうした決裁者に手紙を送り、自社の存在を認知してもらい信頼関係構築を目指すことが手紙営業の主な目的です。なお、手紙営業はアウトバウンドセールスに該当します。
営業手法 | アウトバウンドセールス | インバウンドセールス |
---|---|---|
概要 | 企業から能動的に顧客にアプローチする営業手法 | 顧客からアプローチしてもらえるよう促す営業手法 |
主な具体例 | 訪問営業(飛び込み営業) メール営業 電話営業(テレアポ) 問い合わせフォームの活用 | セミナーや展示会 広告 オウンドメディアの運用 SNS |
その他の営業手法との違い
アウトバウンドセールスには、手紙営業の他にも下記の営業手法が存在します。
- 手紙営業
- 訪問営業(飛び込み営業)
- メール営業
- 電話営業(テレアポ)
手紙営業との違いは、下表の通りです。
営業手法 | 手紙営業 | 訪問営業(飛び込み営業) | メール営業 | 電話営業(テレアポ) |
---|---|---|---|---|
概要 | 決裁者やプロジェクトの キーマンに手紙を送付する | 企業の担当者を直接訪問する | DMやメルマガを送付する | ターゲットに電話をかけて アプローチする |
メリット | ||||
デメリット |
手紙営業が新規開拓に効果的な理由
手紙営業が新規開拓に効果的な理由がこちらです。
- 決裁者に直接自社の存在を認知してもらいやすい
- 手書きの文章で真心や誠意を伝えられる
- 営業先の手元にモノとして残る
決裁権を持つ企業の重要人物に手紙を送付します。決裁者の手元に手紙が届くため、事前アポなどの必要がありません。したがって、効率的に自社の存在をアピールできます。また、手書きの手紙は「時間をかけて作ったのだな」と決裁者から好印象を抱かれやすいです。そのため、アポ獲得や商談化につながります。送付した手紙が決裁者の手元に残る点も大きなメリットです。手紙の存在が自社の存在をアピールし続けてくれるため、相手の印象に残りやすくなります。
手紙営業で新規開拓する文例3選
実際に手紙営業で新規開拓する場合、どのような文章を用いたらよいのでしょうか。以下の3パターンに分けて新規開拓の文例を紹介します。
- 顧客が一般企業
- 顧客が一般消費者
- 訪問後のお礼
それぞれの文例を確認していきましょう。
顧客が一般企業の場合
一般企業を相手に新規開拓を狙う文例がこちらです。
□□株式会社 経営企画部門 〇〇様 ▼時候の挨拶 拝啓 猛暑の候、貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 面識がないままお手紙を差し上げる不躾をお許しください。 ▼自己紹介と手紙を送付した経緯 私は株式会社◇◇の△△(氏名)と申します。 この度は、貴社の先進的な取り組みをホームページで拝見し、深く感銘を受けました。弊社としましても、貴社の姿勢に敬意を表するとともにさらなるビジネス拡大に向けて弊社がお役に立てればと思い、お手紙をお送りした次第です。 ▼自社の商品・サービスを紹介 弊社が長年の経験とノウハウを活用した「XXX」(新製品・新サービス名)は、AIなどの先端技術を製造現場に生かすことで、コスト削減や生産性向上に寄与します。現在、100社以上の企業様に導入され、高い評価をいただいております。 貴社の製造現場の管理運用におきましても、さらなる生産性向上に役立つと自負しております。 つきましては、ご多忙の折大変恐縮ではございますが、一度ご面談の機会を賜れば幸甚に存じます。 近々、弊社担当者よりお電話させていただきますので、その際にご伝達いただけますと幸いです。 ▼結びの言葉 重ねて、貴社のご発展を心よりお祈り申し上げますとともに、倍旧のご愛好を賜りますようお願い申し上げます。 敬具 ▼会社名、役職名、氏名 20xx年x月x日 株式会社◇◇ △△(氏名) |
顧客が一般消費者の場合
一般消費者を相手に新規開拓を狙う文例がこちらです。
〇〇様 ▼自己紹介 はじめまして、この度は突然のお手紙失礼いたします。 私は、株式会社◇◇の△△(氏名)と申します。 ▼自社の商品・サービス この度、弊社から分譲マンション「XXX」をご案内させていただきます。駅から徒歩5分、都内でも指折りの閑静な住宅街に位置するXXXは、ゆとりのある間取りと高級感あふれる設備により、入居者様の新しい生活を応援します。 心豊かになるXXXを〇〇様やそのご家族様でぜひご覧くださいませ。より詳細な内容を担当者からご連絡差し上げ、ご都合のよろしい日時で内覧のご案内を差し上げます。 ▼結びの言葉 人生の新たな一歩を祝して。 何卒ご検討を賜りますようお願い申し上げます。 敬具 ▼会社名、役職名、氏名 20xx年x月x日 株式会社◇◇ △△(氏名) |
手紙営業は、慎重に購入を検討するターゲットに効果的にアプローチできます。そのため高額な商品・サービスを販売する際に有効な営業手段となります。手紙の本文に商品・サービスの特徴や利点を記載したり特典を送付したりすれば、消費者の購買意欲を上手に刺激できます。手紙営業は、高額商品やサービスの新規開拓でその効果を発揮します。
訪問後のお礼を伝える場合
顧客を訪問後、相手にお礼を述べることは大切なビジネスマナーです。訪問後のお礼を手紙で述べることで、相手に誠実な印象をあたえられます。資料や案内を同封すれば、自然な流れでフォローアップすることも可能です。訪問後のお礼を伝える文例がこちらです。
□□株式会社 経営企画部門 〇〇様 ▼時候の挨拶 残暑の候、貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。 ▼訪問のお礼 先日は、弊社の「XXX」(新製品・新サービス名)についてご説明する機会を賜り、誠にありがとうございました。重ねてお礼申し上げます。 訪問の際はXXXに関する率直なご感想をお伺いすることができ大変有意義な時間となりました。特に〇〇様に教えていただいた言葉は大変心に響きました。 「~~~~~~~」※先方の言葉を記載する ▼具体的な行動を促す文章 近日中にお見積もりをお送りいたしますので、前向きにご検討いただけますと幸いです。 なお、本件に関するご不明な点がございましたら、いつでもお問い合わせください。 ▼結びの言葉 貴社の益々のご発展とご活躍を心よりお祈り申し上げますとともに、今後ともご愛好賜りますようよろしくお願い申し上げます。 敬具 ▼会社名、役職名、氏名 20xx年x月x日 株式会社◇◇ △△(氏名) |
手紙営業の効果を高めるポイント
ターゲットの会社規模や種類別に、手紙営業の効果を高めるポイントを解説します。
- 大手企業を新規開拓したい場合
- 中小企業・中堅企業を新規開拓したい場合
- 一般消費者を新規開拓したい場合
それぞれの具体的な内容をみていきましょう。
大手企業を新規開拓したい場合
大手企業の新規開拓では、意思決定権を持つキーマンを特定することが大切です。企業の公式サイトから組織図を確認したり既存の取引先から情報収集を行ったりして、商談につながるキーマンを特定しましょう。また、大手企業の意思決定は中小企業に比べて時間がかかる傾向にあります。手紙送付後も定期的に連絡を取り、自社をアピールし続けることも商談化に重要なポイントです。
中小企業・中堅企業を新規開拓したい場合
中小企業や中堅企業※の多くは、独自の製品・サービスを自社のウリにしています。したがって、中小企業などの経営者へ手紙を送付する際は、相手の独自性や強みをリサーチしたうえで、自社の製品・サービスがどのように役立つかを伝えましょう。
※中小企業の範囲を超えた常時使用する従業員が2,000人以下の会社
参考:経済産業省|成長力が高く地域経済を牽引する中堅企業の成長を促進する政策について 中堅企業者の定義
一般消費者を新規開拓したい場合
一般消費者を新規開拓したい場合は、ターゲットに合わせたきめ細かい対応が必要です。具体的には、ターゲットの年齢、性別、ライフスタイルなどにあわせた文章を作成する、購入者のレビューを盛り込んで安心感を演出するといった手法が効果的です。
手紙営業で失敗しない3つのコツ
手紙営業で失敗しないためのコツが以下の3点です。
- 誤字脱字、事実誤認、宛先の誤りがないかチェックする
- 定型文にオリジナル要素をくわえる
- 手紙とハガキを使い分ける
送付する前に失敗しないコツを確認しましょう。
誤字脱字、事実誤認、宛先の誤りがないかチェックする
手紙に誤字脱字や事実誤認があると、マイナスイメージを持たれるおそれがあります。決裁者の氏名や所属部署の間違いも避けなくてはいけません。こうしたミスは再チェックによって防げます。手紙完成後は、宛名から本文まで全ての項目を見直しましょう。同僚や上長に再チェックをお願いする方法もおすすめです。
定型文にオリジナル要素をくわえる
定型文のみの手紙では、「文章を使いまわしている」と相手の信頼を損ねるおそれがあります。決裁者に好印象を持ってもらうためには、相手の課題等をリサーチすることが大切です。情報を集めて、相手の課題を解決に導くような内容を記載しましょう。例えば、製造業を営む企業にアプローチする場合、原材料高騰によるコスト高を解決する方法を記載する、生産性を高める具体例を記載するといった提案が考えられます。相手の課題や悩みに寄り添ったうえで、自社の製品・サービスを紹介して認知やアポ獲得を目指しましょう。
手紙とハガキを使い分ける
手紙営業は封書を活用する営業手法です。封書とは糊やテープなどを使い封をした手紙のこと。取引相手や見込み顧客に送る際は、封書を用いるのがビジネスマナーです。ただし、決裁者と一定の関係性を築いた後は、ハガキの活用をおすすめします。具体的には、年賀状や暑中見舞いなどはハガキを活用しましょう。ハガキは開封にかかる手間が少ないため気軽に読んでもらえます。安価で活用できる点も営業側にとってメリットです。定期的な挨拶は訪問の足がかりにもなるため、封書とハガキを上手に使い分けましょう。
まとめ
手紙営業は、企業の決裁者に直接アプローチできる新規開拓に効果的な営業手法です。手紙の見た目や本文を工夫ことで、より印象に残る手紙が作成できます。ただし、魅力的な手紙の作成には、ある程度の時間や手間がかかります。手紙の訴求力は本文の内容にも依存します。「時間をかけたが、思うような成果が出なかった」というケースも考えられます。もしも「営業成果を高めたいが、リソースが不足している」という場合は、外部の専門家を頼ってみてはいかがでしょうか。自社のターゲットにあわせて、効率的な手法でアポ率アップを実現してください。
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